治験・臨床開発スキルアップ問題集 No.2

治験・臨床研究基礎知識

CRC認定試験やCRA認定試験では、GCPの知識だけでなく**「薬害の歴史」「個人情報保護法」「研究倫理」「PMDAの役割」**などの周辺知識も頻繁に出題されます。
しかし、この分野はGCPに比べて対策が後回しになりやすく、合否を分けるポイントになりがちです。

この記事では、本番レベルの頻出論点を10問のドリル形式でまとめました。
解答と解説はタップ(クリック)すると開くようになっているので、しっかり自分の頭で考えてから答え合わせをしてみてください。通勤中や試験直前の総復習としてぜひ活用しましょう!


【前半戦】薬害の歴史・法律・データ管理に関する問題(第1問〜第5問)

まずは、過去の薬害事件や個人情報の取り扱いなど、臨床試験の根幹に関わる問題からスタートです。

第1問:薬害事件

【問題】
次の①~⑤の薬害事件に関する記述について、正しいものの組合せを選びなさい。
① ソリブジン事件とは、ソリブジン(帯状疱疹治療薬)を抗がん剤(5-FU系薬)と併用したことに伴う相互作用により、5-FU濃度が上昇したことによる死亡例の発生である。
② スモン病とは、キノホルム(整腸剤)を妊娠初期に服用した際に、先天性欠損症(四肢欠損)や死産が発生したことである。
③ エイズ事件とは、非加熱血液凝固因子製剤の使用に伴う血友病患者等のエイズ発症のことである。
④ TGN1412事件とは、英国においてTGN1412(ヒトモノクローナル抗体)を初めてヒトへ投与した第Ⅰ相試験で、被験者全員に呼吸困難や多臓器不全が発症した事件である。
⑤ サリドマイド事件とは、サリドマイドによる亜急性脊髄視神経症(スモン)の発症や緑色便・緑色尿の発生である。

a.(①②④)
b.(①③④)
c.(①③⑤)
d.(②③⑤)
e.(②④⑤)

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【正解】✅ b(①③④)

【解説】
  • ① 正しい:ソリブジン事件は薬物相互作用による代表的な薬害事件です。ソリブジンが5-FU代謝酵素を阻害し、重篤な副作用や死亡例が発生しました。
  • ② 誤り:記載内容は「サリドマイド事件」です。スモン病はキノホルムによる神経障害です。
  • ③ 正しい:非加熱血液凝固因子製剤によりHIV感染が起こった薬害エイズ事件です。
  • ④ 正しい:FIH試験(First in Human)の安全性を考えるうえで有名な事例です。
  • ⑤ 誤り:これは「スモン病」の説明です。
💡 試験ポイント:頻出の薬害事件まとめ
サリドマイド事件 = サリドマイド
スモン事件 = キノホルム
薬害エイズ事件 = 非加熱血液凝固因子製剤
ソリブジン事件 = ソリブジン+5-FU

第2問:次世代医療基盤法

【問題】
「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(次世代医療基盤法)」について正しいものの組合せを選びなさい。
① 2018年5月11日に個人情報保護法の特例法として施行された。
② 倫理審査委員会は認定匿名加工医療情報作成事業者を認定する。
③ 本人が拒否しない場合、医療機関は認定事業者へ情報提供できる。
④ 認定事業者は匿名加工後、研究開発へ活用する。
⑤ 利用者はデータ利用時に倫理審査委員会承認が必須である。

a.(①②⑤)
b.(①③④)
c.(①④⑤)
d.(②③④)
e.(②③⑤)

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【正解】✅ b(①③④)

【解説】
  • ① 正しい:2018年5月11日施行です。
  • ② 誤り:事業者を認定するのは「国」です。倫理審査委員会ではありません。
  • ③ 正しい:本人が拒否しない限り提供できる「オプトアウト方式」が採用されています。
  • ④ 正しい:匿名加工医療情報として研究開発に活用されます。
  • ⑤ 誤り:データ利用時に必ずしも倫理審査委員会承認は必要ありません。

第3問:不正のトライアングル

【問題】
一般的に不正のトライアングルの3要素は何か。
ア.動機・プレッシャー
イ.責任感
ウ.依存関係
エ.正当化
オ.機会

a.(ア・イ・ウ)
b.(ア・イ・エ)
c.(ア・エ・オ)
d.(イ・ウ・オ)
e.(ウ・エ・オ)

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【正解】✅ c(動機・プレッシャー、正当化、機会)

💡 覚え方のコツ
治験データの改ざんなど「不正」が起きる原因は、「動機」「機会」「正当化」の3点セットと暗記しておきましょう!

第4問:MedDRA

【問題】
次のうちMedDRAの対象となるものの組合せを選びなさい。
① 医薬品名・製品名・試験デザイン
② 症状・徴候・疾患・診断
③ 臨床検査や検査結果
④ 性別・年齢・人種・宗教
⑤ 病歴・家族歴・社会歴

a.(①②③)
b.(①③④)
c.(①④⑤)
d.(②③⑤)
e.(②④⑤)

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【正解】✅ d(②③⑤)

【ポイント】
  • 対象となるもの:症状疾患・検査・病歴
  • 対象外のもの:医薬品名・機器名・性別・年齢・人種

第5問:改正個人情報保護法(2022年施行)

【問題】
2022年4月施行の改正個人情報保護法について正しいものを選びなさい。
① 越境移転時の情報提供強化
② 官民ルールの統一
③ 医療分野・学術分野も統一対象
④ 学術研究における適用除外の見直し
⑤ 生命・医学系指針の改正

a.①
b.①②
c.①②③
d.①②③④
e.①②③④⑤

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【正解】✅ e(全て)

【2026年最新】個人情報保護法改正まとめ!2022年の振り返りと「令和8年大改正」の重要ポイント


【後半戦】行政の役割・倫理指針・ガイドライン(第6問〜第10問)

ここからは、PMDAの業務やベルモント・レポートなど、試験でよく狙われる周辺知識の後半戦です。

第6問:PMDAの業務

【問題】
次の①~⑤の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の業務に関する記述について、正しいものの組合せを選びなさい。
① 医薬品の副作用等による健康被害救済業務
② 医薬品や医療機器等の承認審査業務
③ 厚生年金保険、国民年金等の公的年金制度の管理運用業務
④ 医療保険制度の企画立案等の業務
⑤ 医薬品や医療機器等の市販後における安全対策業務

a.(①、②、③)
b.(①、②、⑤)
c.(①、③、④)
d.(②、④、⑤)
e.(③、④、⑤)

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【正解】✅ b(①、②、⑤)

【解説】
  • ① 正しい:PMDAは医薬品副作用被害救済制度を運営し、健康被害を受けた患者への救済業務を実施しています。
  • ② 正しい:新薬、医療機器、再生医療等製品などの承認審査を担当しています。
  • ③ 誤り:公的年金制度の運用はPMDAではなく厚生労働省や日本年金機構の業務です。
  • ④ 誤り:医療保険制度の企画立案は厚生労働省の業務です。
  • ⑤ 正しい:副作用情報の収集やRMP活用など、市販後安全対策もPMDAの重要な業務です。
💡 試験ポイント:PMDAの三大業務
PMDAの業務は「救済・審査・安全」の3本柱で覚えましょう!

第7問:要配慮個人情報

【問題】
2017年5月30日の改正個人情報保護法で新設された「要配慮個人情報」について、①~③に入る正しい語句の組合せを選びなさい。

「要配慮個人情報」とは本人の人種、信条、社会的身分、( ① )、犯罪の経歴等、その取扱いに特に配慮を要する個人情報をいう。「要配慮個人情報」を取得する場合には法令で定める場合を除き、( ② )の通知または公表のうえ、あらかじめ本人同意が必要である。また、「要配慮個人情報」はオプトアウトによる第三者提供をすることが( ③ )。

a.(①職業 ②掲示板 ③できる)
b.(①職業 ②利用目的 ③できる)
c.(①病歴 ②利用目的 ③できない)
d.(①病歴 ②掲示板 ③できる)
e.(①職業 ②文書 ③できない)

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【正解】✅ c(①病歴 ②利用目的 ③できない)

【解説】
  • ① 病歴:病歴や障害などは要配慮個人情報の代表例です。
  • ② 利用目的:取得時には利用目的を通知または公表する必要があります。
  • ③ できない:一般の個人情報とは異なり、要配慮個人情報はオプトアウト(本人が拒否しない限り同意したとみなす方式)による第三者提供が認められていません。
💡 引っかけポイント
試験では「オプトアウト可能」というダミー選択肢がよく出ます。要配慮個人情報は原則オプトアウト不可です。

第8問:SMO自主ガイドライン

【問題】
次の①~⑤の「臨床試験データの信頼性を確保するためのSMO自主ガイドライン」に関する記述について、正しいものの組合せを選びなさい。
① 会員企業が受託業務において信頼できるデータに基づく医療の質向上を目指し、不正防止につなげることを目的としている。
② 社員および関係者から信頼性確保に関する誓約書を取得する。
③ 社内実態調査を年1回以上実施する。
④ JASMO相談窓口は会員企業のリスクマネジメント委員会からの相談を受け入れる。
⑤ 不正行為が発生した場合は全件JASMOへ報告する。

a.(①、②、③)
b.(①、②、④)
c.(①、④、⑤)
d.(②、③、⑤)
e.(③、④、⑤)

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【正解】✅ a(①、②、③)

【解説】
  • ① 正しい:ガイドラインの目的そのものです。
  • ② 正しい:不正防止のため、誓約書の取得が求められています。
  • ③ 正しい:年1回以上の社内実態調査が必要です。
  • ④ 誤り:相談窓口は委員会からではなく、会員企業の「社員」からの報告・相談を受け付けます。
  • ⑤ 誤り:全件報告ではなく、社会的影響が大きい場合などに報告します。

第9問:ベルモント・レポート

【問題】
次のベルモント・レポートの倫理原則に関する記述について、正しいものの組合せを選びなさい。
① 人格の尊重(Respect for Persons)- 文書による同意
② 人格の尊重(Respect for Persons)- 個人情報の保護
③ 善行(Beneficence)- 囚人の組み入れ
④ 善行(Beneficence)- 少数民族の組み入れ
⑤ 正義(Justice)- リスクの最小化

a.(①、②)
b.(①、⑤)
c.(②、③)
d.(③、④)
e.(④、⑤)

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【正解】✅ a(①、②)

【解説】
  • 人格の尊重:被験者の自己決定権を尊重し、インフォームド・コンセントやプライバシー保護を重視するため①②は正しいです。
  • 善行:リスクの最小化・ベネフィットの最大化を指します。③④のような社会的弱者の組み入れは該当しません(⑤は正義ではなく善行です)。
  • 正義:研究参加の利益と負担を公平に分配することです。

第10問:個人情報保護法改正ポイント(2017年施行)

【問題】
個人情報保護法改正のポイントについて正しい文章の組み合わせを選びなさい。
① 個人情報保護委員会の新設
② 個人情報の定義の明確化
③ 個人情報の有用性を確保するための整備
④ いわゆる名簿屋対策
⑤ 取り扱う個人情報の数が5,000件以下である事業者を規制対象外とする制度の廃止

a.(②、③、⑤)
b.(①、④、⑤)
c.(①、②、③、④)
d.(②、③、④、⑤)
e.(全て)

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【正解】✅ e(全て)

【解説】
すべて正しい記述です。
特に、監督機関としての「個人情報保護委員会の設置」と、これまで適用除外だった「5,000件以下の事業者の規制対象化(制度廃止)」は非常によく出題されます。

📝 試験直前!最終チェックリスト

お疲れ様でした!最後に、今回の10問で登場した重要キーワードをまとめました。試験会場での直前見直しに活用してくださいね。

  • ✅ PMDAの三大業務 =「救済・審査・安全」
  • ✅ 要配慮個人情報 = 病歴・障害・犯罪歴など
  • ✅ 要配慮個人情報の第三者提供 = オプトアウト絶対不可!
  • ✅ 不正のトライアングル = 動機・正当化・機会
  • ✅ SMO自主ガイドライン = 誓約書の取得 + 年1回以上の実態調査
  • ✅ ベルモント・レポート3原則 = 人格の尊重・善行・正義
  • ✅ 個人情報保護法改正 = 個人情報保護委員会の設置、5000件要件の廃止

この周辺分野は、GCPばかり勉強している受験生が落としやすい「穴」になります。確実に得点源にして、合格を勝ち取りましょう!応援しています!


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